貯め込まずに楽しむ!老後のお金の"賢い"使い方 昭和世代はお金を使って楽しむことが苦手?
鎌田:考えるだけでワクワクしてくるねえ。1年間で1人60万円ってことは……1カ月で5万円分の外食ができるってわけか。よくテレビでおいしそうなお店が紹介されているじゃない? ああいうところに毎月食べに行くのもいいね。
荻原:1人5万円なら、かなりぜいたくできますよ。しかも鎌田先生はランチ派だから、きっと5万円は1回じゃ使いきれません(笑)。
鎌田:やった、毎週食べに行けちゃう(笑)。
自分を楽しませることは無駄遣いじゃない
荻原:私ね、10年くらい前に『貯め込むな! お金は死ぬ前に使え。』(マガジンハウス)という本を書いたんですよ。その本を書きながら「あっ! そう言っている私自身がお金を全然使えていないじゃないか」と気づきまして、それからは毎年海外旅行をするようにしています。コロナ禍になってからは国内旅行に切りかえましたが、今年からまた海外旅行を再開しようと思っています。子どもにお金を残さず、全部使いきってやろうと思っているんです(笑)。
鎌田:上手に使いきるって大事! 荻原さんは旅行がお好きなんですね。
荻原:旅行って、3回ワクワクできるんですよ。行く前にプランを立てながらワクワクして、旅行中もワクワクして、帰ってきてから写真を見たり思い出話をしたりしてワクワクできる。1回の旅行で何回も楽しめるって最高ですよ。
鎌田:ぼくも旅行は大好きだ。旅先では、別の人間になれるような気がするんだよね。海外に行くと、ぼくは「鎌田B」なの(笑)。
荻原:わかります。普段なら絶対に着ないような服を着るのも海外ならではの楽しみですよね。「今回の旅行は、こんなイメージの自分でいよう」って考えるだけで楽しくなります。
鎌田:さっきぼく、「人生、おいしいものを食べた人が勝ち」って言いましたけど、もうひとつ「人生、おもしろいことをした人が勝ち」とも言っているんです。せっかく貯めたお金なんだから、たくさんワクワクしなくちゃもったいない。
荻原:昭和世代って、お金を使って楽しむことが苦手な人が多いですよね。私の亡くなった父も、楽しむことが下手くそな人でした。自分を楽しませることは無駄遣いじゃないんだって、思ってほしいんですよね。