貯め込まずに楽しむ!老後のお金の"賢い"使い方 昭和世代はお金を使って楽しむことが苦手?

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荻原:2人なら1千万円。それくらいの預貯金があれば、要介護になっても大丈夫だと思いますよ。もし施設などに入ることでもっとかかるなら、家を売って介護費用にあてることもできますよね。「病気になったらどうしよう」と心配している人もいますが、日本は国民皆保険の国ですから、保険の範囲内の治療を受けているかぎりそんなにはかかりません。2人で200万円あれば十分。介護にかかる費用と合わせて夫婦で1200万円、1人なら600万円くらいの預貯金があれば十分安心できると思います。

「子どものため」「老後のため」に貯蓄は必要?

荻原:私ね、忘れられないことがあるんです。90年代に「きんさん ぎんさん」という100歳を超えた双子の姉妹が話題になりましたよね。きんさんは107歳、ぎんさんは108歳でお亡くなりになりましたが、100歳過ぎても2人はとてもお元気で、テレビにも出ていらしたんです。あるとき、テレビで女性リポーターが「テレビの出演料は何に使っているんですか?」と質問したら、「半分は恵まれない人の施設に寄付して、残りは老後のために貯金します」って答えたんですよ!

鎌田:100歳超えても老後の貯蓄なんだ(笑)。

荻原:戦中戦後の飢餓の時代を生き延びた人は「貯金しなくちゃ」という思いが強いと思います。それに「子どもたちに多少なりともお金を残しあげたい」って思うかたも多いんですよね。でも、それは逆効果だと私は思っているんです。遺産を巡って、きょうだいが骨肉の争いをするケースってかなりあるんです。家庭裁判所の相続問題の相談件数のうち、約3割は1000万円以下なんですよ。

鎌田:よく「うちは大した財産がないから大丈夫」って言う人がいるけれど、遺産は少ないほどもめますよ。遺産が3億円あれば、兄貴に2億円とられても自分も1億円もらえる。多少もめても折り合いはつけやすいんです。でも、遺産が少なければ自分のところにはほとんど入ってこない可能性もある。だからトラブルになりやすいんです。

荻原:最初は遺産相続でもめているんだけど、だんだん「弟は4年生大学に入れてもらえたのに、私は短大だった」とか「お姉ちゃんだけおひなさまを買ってもらえた」とか、そういう過去の細かな部分での争いになることも少なくありません。それで仲のよかったきょうだいが、一生口をきかない関係になっちゃうのは悲しいですよね。

鎌田:なまじお金を残したせいで、トラブルになるのは残念だよね。

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