日本株は新三本の矢がイマイチでも上昇する

短期的に波乱の可能性は残るが方向は見えた

さて日本だが、「安保法案」が成立した後、安倍政権は間髪を入れずに「新アベノミクス」と言うべき、GDP600兆円を目標とする新政策を発表した。

それでも安倍政権は参院選に向かって走り出した

この「600兆円政策」について、筆者がコメンテーターをしている経済番組に、大和証券の木野内栄治氏(チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト)が出演して、面白い見解を述べている。要旨はこうだ。「『60年安保』を仕上げた岸内閣が退陣した後、池田内閣の所得倍増計画が登場し、『70年安保』の佐藤内閣の後、田中内閣の列島改造論が出て来た。今回の安保の後が、GDP600兆円政策だ」という位置づけだ。非常に興味深い見解ではないだろうか。

ただ、おわかりのように、過去の所得倍増計画や列島改造論と比較したら、今回のGDP600兆円はいかにも弱い感じがする。実際は、「600兆円でも実現不可能」と、エコノミストの一部意見があるくらいである。

私は、現実的ではないかもしれないが、やはりここは「GDP1000兆円」くらいの夢を語っても良いと思った次第だ。実際、「今回は『バイ・マイ・アベノミクス』と言いませんでしたね」と、ある外国人投資家に皮肉っぽく言われた。

それでも、来年の参議院選挙に向けて、「安倍自民党」はすでに走り出したことになる。近々、大型補正予算の発表が期待される。これが株式市場にとって悪いわけがない。と言うよりも、目先の相場を救うのは、政策しかないと言っても良い。私は「流れは見えて来た」と思う。

これからもFRBの高水準の資金供給は続く。また日銀は「新3本の矢」と共に、異次元緩和を続けていく。さらにECBも高い水準の資金を供給している。世界不安の芽はいくつかあるが、結局は事件の度に、さらに資金が供給される。世界は空前のカネ余り状態なのである。

残念ながら、短期的にはまだ警戒が解けない。先週末25日の安値1万7483円が2番底になるためには、まず9月17日の高値1万8468円を抜かなければならない。2番底どころか、9月8日の1番底1万7415円にしても、まだ「もうこれ以上は下がらない」というセーフティーゾーンとは言えない。このリスクが残っているのが、買い場が来たと感じている投資家でも「イマイチ」手を出せない理由だ。

だが私は、混乱が続けば続くほど、次の相場の天井は高くなると思っている。今週の日経平均株価の予想レンジは、やや幅が広いが1万7450円~1万8450円としたい。

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