花粉が大量飛散した年は「株価」に何が起こるのか 2005年からのデータを検証してみた結果

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また、表で花粉累積が1万個/cm2と、花粉量が「特に多い年(2018年と2005年の2回のみ)」の平均騰落率は-2.3%と下落しています。

つまり、花粉飛散量が多い年の2月から3月相場は低調で、特に多い年は相場が下がる傾向があるということです。

このように事前に想定した仮説と結果が異なったのはどうしてでしょうか。

花粉大量飛散でマイナスの影響が出る分野

それは、花粉の飛散量と経済全体の影響を考える必要があります。花粉が多いと、花粉症の人は外出を控えるようになります。レジャーや外食などの需要にマイナスの影響がでてきます。加えて、花粉症がつらいと仕事の生産性にも影響するかもしれません。

花粉が多いと花粉症対策関連への注目は相場にプラスですが、それより個人消費などのマイナスの影響が大きいことが相場を低調にさせる理由となります。

ところで、いま一度、表の3つの分類を見ると「例年並み」の上昇が2.1%と最も大きいことがわかります。「少ない年」と比べると例年並みに花粉症対策関連にも需要があるほうが、相場にはプラスに働くことにも注目されます。

今年の花粉飛散量ですが、東京都保健医療局が公表している予測では千代田区では6600個/cm2となっています。これは表での「多い年」に該当します。

花粉量と株価のジンクスでは、2月から3月相場が低調となることには留意しておく必要がありそうです。

吉野 貴晶 ニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、ニッセイアセットマネジメントに入社。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBAコース)で経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。代表的な著書に『No.1アナリストがプロに教えている株の講義』(東洋経済新報社、2017年) 。

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