スシロー「鶴瓶氏を削除」が完全に見誤ったワケ 企業は「CM取り下げ」をどこで判断すべき?
さらにさかのぼると、2011年には、フジテレビが「韓国コンテンツ」を多く放送していることに対して、嫌韓・反韓の人たちが批判を行ったことが起点となり、フジテレビの大口スポンサーの花王に対する不買運動が起こった。
不買運動の影響力は限定的だと思うが、SNSで批判されたり、商品評価サイトに低レビューが書かれたりと、風評に対する影響は大きかったように思う。それでも花王は、スポンサーをおりなかった。
もし花王がスポンサーを打ち切ったとしたら、「差別を認めた」、「同調圧力に屈した」、「少数意見に流された」といった批判を浴び、逆効果をもたらしたはずだ。
今回のスシロー側の対応については、「少数意見に流された」と見なされても、やむをえなかったように思う。
一時的に取り下げるのであれば(筆者はそれも賛同しないが)、「実態がわからないため一旦非公開という判断を行った。実態がわかり次第、正式に対応を決定する」くらいの説明はあってもよかったように思う。
スシローが検討すべきだったこと
今回の事案に関しては、「実態がよくわからない」という状況があり、公式な情報が出てこない(出せない)状況の中で、週刊誌の記事が独り歩きしてしまっている。その中で、企業は判断を迫られているという状況だ。
鶴瓶さんの起用継続を判断するうえでは、下記の3点が関係してくる。
2. (上記に対する)フジテレビ社員A氏の関与
3. 鶴瓶氏の参加したバーベキューパーティの実態
1については、週刊誌報道が既成事実であるかのように思われているのだが、現時点では、かなり曖昧な状況だ。
記者会見をよく見ればわかるのだが、中居さんと女性との間で見解の相違がある。示談で一旦幕引きされてしまったので、加害-被害の関係も確定できていない。トラブルの内容についても、週刊誌で示唆されているような“性的なもの”だとも断定できない。そういう状況なのだ。
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