スシロー「鶴瓶氏を削除」が完全に見誤ったワケ 企業は「CM取り下げ」をどこで判断すべき?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらにさかのぼると、2011年には、フジテレビが「韓国コンテンツ」を多く放送していることに対して、嫌韓・反韓の人たちが批判を行ったことが起点となり、フジテレビの大口スポンサーの花王に対する不買運動が起こった。

不買運動の影響力は限定的だと思うが、SNSで批判されたり、商品評価サイトに低レビューが書かれたりと、風評に対する影響は大きかったように思う。それでも花王は、スポンサーをおりなかった。

もし花王がスポンサーを打ち切ったとしたら、「差別を認めた」、「同調圧力に屈した」、「少数意見に流された」といった批判を浴び、逆効果をもたらしたはずだ。

今回のスシロー側の対応については、「少数意見に流された」と見なされても、やむをえなかったように思う。

一時的に取り下げるのであれば(筆者はそれも賛同しないが)、「実態がわからないため一旦非公開という判断を行った。実態がわかり次第、正式に対応を決定する」くらいの説明はあってもよかったように思う。

スシロー
鶴瓶さんは2023年からスシローのイメージキャラクターに起用されていた(画像:YouTube「【公式】株式会社あきんどスシロー」より)
鶴瓶さん
CMに起用されるまで、スシローを食べたことがなかったという鶴瓶さん。初めて食べて感動を伝えるCMは好評だった(画像:YouTube「【公式】株式会社あきんどスシロー」より)

スシローが検討すべきだったこと

今回の事案に関しては、「実態がよくわからない」という状況があり、公式な情報が出てこない(出せない)状況の中で、週刊誌の記事が独り歩きしてしまっている。その中で、企業は判断を迫られているという状況だ。

鶴瓶さんの起用継続を判断するうえでは、下記の3点が関係してくる。

1. 中居氏と女性とのトラブルの実態
2. (上記に対する)フジテレビ社員A氏の関与
3. 鶴瓶氏の参加したバーベキューパーティの実態

1については、週刊誌報道が既成事実であるかのように思われているのだが、現時点では、かなり曖昧な状況だ。

記者会見をよく見ればわかるのだが、中居さんと女性との間で見解の相違がある。示談で一旦幕引きされてしまったので、加害-被害の関係も確定できていない。トラブルの内容についても、週刊誌で示唆されているような“性的なもの”だとも断定できない。そういう状況なのだ。

次ページバーベキューパーティの参加者の証言
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事