二子玉川の隣なのに「ほぼ無名」元"花街"の実態 橋を渡って東京から遊び人が訪れた「二子新地」

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それまで品川駅近くに本社を構えていた楽天は「事業拡大に伴う従業員の増加を見据えるとともにグループ企業を集約し、より一層の業務の効率化を図るため(楽天資料より)」、2015年に二子玉川駅の近くに移転した。

総従業員1万人を超える大企業移転のインパクトは大きい。そのために、ファミリータイプの物件が、相対的に値上がりしているということもあるのだろう。

古井戸さんが続ける。

「毎年10月に行われる『世田谷区たまがわ花火大会』も、このすぐ近くから打ち上げられるので、すごく盛り上がりますよ。あと、神社のお祭りなども盛んだし、地元の人たちの結びつきもけっこう強い。そういう意味でも住みやすい街ですよね」

きまぐれ定食 ドリンク付き
IDOBATAでいただいた「きまぐれ定食 ドリンク付き(1650円税込)」。からりと揚がった唐揚げが美味(筆者撮影)

判明する「新地」の謎

IDOBATAを出て、街の散策を続けた。

二子新地は「芸術は爆発だ」の名言で知られる岡本太郎の母で作家の岡本かの子の出生地だ。岡本は1889年3月1日、旧二子村(現・高津区二子)に生まれた。

多摩川の二子橋の近くにある、二子神社(神奈川県川崎市高津区二子1-4-1)の境内には、息子である岡本太郎作の文学碑「誇り」が建立されている。

これは、全国のファンによって1962年に計画・建築されたものだ。彫刻の台座には「この誇りを亡き一平とともにかの子に捧ぐ 太郎」という岡本太郎の銘が刻まれている。

岡本かの子文学碑
岡本かの子文学碑(筆者撮影)

岡本かの子文学碑は多摩川沿線道路の脇に建っているのだが、この道を越えると、眼下に多摩川緑地が広がる。

多摩川緑地
多摩川緑地(筆者撮影)
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