二子玉川の隣なのに「ほぼ無名」元"花街"の実態 橋を渡って東京から遊び人が訪れた「二子新地」

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「過去にも何度か被害に遭っているから、台風の時期には、また水が来るんじゃないかなって思うね。

もちろん、慣れたらいけないんだろうけど、このあたりに住むんであれば、水のことは頭に入れておく必要がある。

それでも、人気がある街なんだよね。静かだし、交通の便はいいし。都心から近いわりには自然も豊かだしね。ほんと、まさに”住むとちょっといい街”ですよ(笑)」

家賃逆転現象の秘密は楽天?

「二子新地駅入口」の交差点にあるレストラン「IDOBATA(神奈川県川崎市高津区二子2-4-6)」で話を聞くことができた。この地で、オープンから9年目になる地元民愛用の店だ。

「IDOBATA」
「IDOBATA(神奈川県川崎市高津区二子2-4-6)」(筆者撮影)

二子新地の駅から歩いて2分ほど、IDOBATAはその名の通り、誰もが気さくに利用できる造りの店だ。おしゃれな内装がメディア関係者の目にとまるのか、ドラマの撮影などにもよく使われるらしい。責任者の古井戸啓子さんは街の魅力を次のように語る。

「二子新地自体はおとなしい街なんですけど、お隣(駅で言うと2つ先)の溝の口にも歩いていけるから、便利なんですよ。あちらは田園都市線の急行が止まるから、駅周りもわりとにぎやかで、ちょっとした買い物には便利です。

ただし、住むなら二子新地のほうがいいかも。ここは、急行が停まらないということもあるのか、ニコタマ(二子玉川)とか溝の口に比べて家賃が安いんですよね」

賃料

マンションの家賃相場を調べてみると、シングルタイプについては、なるほど前後の駅に比べて二子新地は少しだけお手軽価格だ。

ところが、ファミリータイプの物件になると、溝の口より高いという逆転現象が起こる。理由はさまざまあるのだろうが、古井戸さんの話にひとつのヒントを見つけた。

「お隣が大人気のニコタマ(二子玉川)だから、ここ(二子新地)も以前からわりと人気があったようですけど、10年ほど前に楽天の本社がニコタマに引っ越してきたんです。その時期から、こちら側もファミリー層が急激に増えたんですよ」(古井戸さん)

古井戸啓子さん
IDOBATA 責任者の古井戸啓子さん(筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事