厳しいヤマトが昨年末に繰り出した「攻めの一手」 宅急便だけでは成長に限界、3PL有力会社を買収

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ヤマトとナカノ商会との関係は深く、以前からEC荷物の仕分けや、店舗への配送などを委託していた。買収に至った背景には、宅急便で運べない荷物をどう獲得するかという課題があった。

ナカノ商会のセンター
ナカノ商会は商品の保管から輸送、拠点間の輸送、販売店までの輸送なども手がける。ヤマトによる買収額は469億円で、純資産との差額であるのれんは約380億円だ(記者撮影)

ヤマトの営業は、「この時間までに作業してもらえば宅急便に乗せられます」というスタンスだ。それが現場の腕の見せどころで、正しい手法と考えられてきた。しかし、それでは獲得できない仕事もある。

ヤマトの多くのセンターは19時に営業を終え、21時半までに全国に向けた発送作業を行う。つまり、販売が好調で20時まで生産を行うような顧客の荷物は宅急便に間に合わない。「開店時間の10時までに20店舗に届けてほしい」といった店舗への配送も手がけてこなかった。

倉庫を活用したビジネスも展開してきたが、顧客のために大型センターを構え、独自にオペレーションを構築するといった経験は少なかった。

アマゾンの仕事も請け負う有力企業

ヤマトがそうしたノウハウを求めたのが、ナカノ商会だった。同社がアマゾンなどの大型物流センターの運営を担っていることは、業界ではよく知られている。ほかにも大手小売りや食品メーカーの仕事も手がける有力企業だ。

「ロジスティクス事業をやってきたが、顧客との関係や手法についてもまだまだ学ぶべき点があると思っていた。ナカノ商会とさまざまなシナジーが出せると思っている」(ヤマトの栗栖利蔵副社長)

ナカノ商会にとっても、ヤマトとのタッグには利点がある。ラストワンマイルの戦力だ。3PL業者でも宅配の戦力を抱える会社は少なく、そうした会社は荷主に高く評価され、仕事を獲得しやすいという背景があった。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事