この社名の変更は、「獺祭」を日本にとどめずにDASSAIとしてグローバルブランドに成長させるための戦略の一環だ。
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さきほど、旭酒造の年間売上は195億円と紹介した。その内訳は国内で大半の100億円を稼いでいる。
そして海外が95億円だ。それを意欲的に急拡大させるのだから、ブランド名=社名とし、海外市場での認知度向上を図るのだ。現実的に海外での酒蔵の創出、コラボ、プロモーションなど、日本以外の販路を加速させている。
さきのプレスリリースに戻れば「大阪関西万博では、オーストリア館で、ウィーン・フィルハーモニック・テイストの音楽を聴かせて発酵させた獺祭を販売する」「今まで日本酒を飲んでいない方にも見つけて知って頂くために、酒屋さんや飲食店さんとともに、日本を中心に年1000回のイベントを実施します」といった日本国内で足元を固めることにも余念がない。
社名変更のメリットとデメリット
ところで私は小学生の子どもがいるのだが、ケン、エマ、ジョー、ジョージ、リサ……といった名前の友達が多い。聞いてみると、そもそも日本にとどまらずに海外へ飛び出してほしいと願う親が多い。だからこそ、名付けのときに、日本でも世界でも通じるようにしているようだ。
私の子どもの名前がドメスティックであるのと対照的だ。おそらく、このようにあらかじめ世界を意識したネーミングは増えていくだろう。
あくまで一般論だが、社名変更のメリットとデメリットをあげておこう。
当然ながら、商品名・サービス名に統一することで認知度は高まる。大変に失礼だが、「旭酒造株式会社」という名称を知る人はさほど多くない。でも、獺祭ならば多くの人が知っている。
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