中国の鋼材の純輸出量が過去最高を更新した。中国海関総署(税関)が1月13日に公表したデータによれば、2024年の鋼材輸出量は1億1070万トン、輸入量は681万5000トンであり、(前者から後者を引いた)純輸出量は1億390万トンと初めて1億トンの大台を超えた。
鋼材の輸出量に限れば、過去最高記録は2015年の1億1240万トンだ。しかし同年は1278万トンの輸入があり、純輸出量は9962万トンと1億トンには届かなかった。
輸出単価が2割下落
純輸出量を過去最高に押し上げた主因が、(輸入の減少ではなく)輸出の急増にあるのは言うまでもない。2024年の鋼材輸出量の増加率は前年比22.7%に達した。業界関係者によれば、背景には中国国内の需要不足と、海外市場での価格競争力(の高さ)があるという。
中国国内では不動産不況の長期化により、主に建築向けの鋼材の需要が低迷している。政府系シンクタンクの冶金工業計画研究院のレポートによれば、2024年の鋼材の国内需要は推定で前年比4.4%減少した。
一方、輸出に関しては量こそ大幅に増えているが、輸出単価の下落が止まらない状況になっている。2024年の鋼材の輸出単価は1トン当たり平均755.34ドル(約11万8924円)と、前年比19.4%下落した。
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