モヤモヤする「フジテレビのガバナンス問題」 中居正広さんは芸能界引退発表、関係者も言及

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この会見に関心がなかった人にまで、問題意識が向けられるきっかけがさらに作られます。それがCMの差し止めです。フジテレビの番組を見ていれば、ACジャパンの公共広告に置き換わった現状に誰でも気づきます。CM提供社が自粛する動きは会見後に起こっていますから、フジテレビの経営管理体制を疑問視した結果として見て取れます。

CM差し止めを判断した企業の数は70社以上に上るとか。その規模に驚くだけでは終わりません。問題は今後、代理店を通じてフジテレビと新たにCM契約なり、更新する企業の数や条件がどう変わるのか、です。4月改編に向けてそろそろセールス開始を控える今、広告収入という稼ぎ頭が大きく失われてしまうことがなくもない危機的状況です。

既存メディア全体に問われている問題

そんななか、「フジテレビのガバナンス問題」に物申す議論が持ち上がっています。

公式な場での議論を促した人物の1人がラジオ局の文化放送社長であり、フジテレビの大本の母体であるフジ・メディア・ホールディングスの社外取締役でもある齋藤清人氏です。文化放送はフジ・メディア・ホールディングスの株主であることから他人事ではない関係者の発言であることが前提となりますが、社外取締役という監視する役割を持つ立場で「フジテレビは今、多くの人が腑に落ちるような説明が求められています」と苦言を呈しました。

1月21日に開催された放送業界誌向けの文化放送定例会見に筆者が出席した際に齋藤社長はその理由についても明確に話しています。「CMを控える企業や団体が出てきているのは、やはり説明が足りていないことの象徴です。先日の会見ではまだ説明が果たせていないということだと思います。既存メディア全体に問われている部分もあるのではないでしょうか。襟を正して真摯に向き合わなければならない」。

こうした思いから、フジテレビのガバナンスの早急な立て直しに向けた対応を求めて、他の社外取締役と複数人で臨時取締役会開催の申し入れを行ったことも明かしていました。この発言が報じられた後、臨時取締役会が行われることが決定し、23日に開催された結果、フジテレビは今後、第三者委員会による調査・検討を行い、27日にはこれに関する記者会見を実施することを発表しました。

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