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「脳死は否定するのに移植を望む」はおかしい? 医学的な事実を理解していれば無用な迷いは消える

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しばらく前から脳死になりそうだとわかっていれば、心の準備もできるが、その余裕はたいていない(写真:mits/PIXTA)
医者として多くの患者を看取ってきた医師兼作家の久坂部羊さんが死生観についてまとめた新刊『死が怖い人へ』では、「脳死は死かどうか」についても触れられている。同書から抜粋するかたちで、久坂部さんの考えをご紹介する。

脳死を受け入れない人々

死を全否定する人は、脳死が人の死であることもなかなか受け入れにくいだろう。

脳死とは、「脳幹を含む全脳死」のことで、「脳幹」とは大脳と脊髄の間にあり、呼吸と循環をコントロールする部位である。いわば生命維持の中心で、ここが死ぬと呼吸も心拍も止まるので人は死ぬ。

脳死と混同されがちなものに「植物状態」があるが、これは大脳が死んでいるので意識はないが、脳幹が生きているので、呼吸も心拍も維持される。水と栄養を与えれば生き続けるので、植物と同じという意味でそう呼ばれる(かつては「植物人間」と言われたが、これは言われた側を傷つける表現として、今は不適切とされる)。

脳幹が死んでも、早い時期に人工呼吸器をつけると、しばらく心臓は動き続ける。この状態で心臓を取り出すと、心臓移植が可能になる。

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