「世界が感動」浅野忠信スピーチが心を掴んだ必然 技巧がなくても人の心を動かすことはできる
そして、胸に手を当て落ち着こうとするしぐさをしながら、壇上に向かいます。トロフィーを受け取り、スピーチを始めます。スピーチ中、浅野さんの顔には終始笑顔が浮かんでいます。英語でのスピーチを日本語にし、表情やしぐさを解読します。
「ワォ、多分、皆さん私をご存じないでしょう」
会場から軽く笑いが起きます。この笑いの意味は何でしょうか?
ユーモアと謙虚さ
ゴールデン・グローブ賞の壇上にいるレベルの知名度ある人物の発言とは思えず、そのギャップにユーモアが感じられたのでしょうか。あるいは、先のコメント欄に「彼は謙虚だ」というコメントが散見されていることから、特有の謙虚さが伝わったのかもしれません。
「私は日本の俳優で、浅野忠信と申します」
会場から拍手、歓声が起きます。
「ワァ~オ、ハッハーハッハー」
浅野さんのこれまでの笑顔が一段と大きくなります。目じりにしわを寄せ、大きく口を開けたビッグスマイルです。
「どうもありがとうございます、どうもありがとう」
声が大きくなり、力が入ります。
「あの、今、私は撮影中です」
「今晩、東京に戻らなければなりません」
「明日の朝からまた撮影です」
瞬きが増加します。感情や緊張の高まりです。また、身体の内側から何かを引き出すような手ぶりが繰り返し見られます。しかし目につきやすい胸の前ではなく、腰より少し上で行われるさりげない動きです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら