まず、本稿の結論を述べる。
企業は契約と常識の範囲において、起用した芸能人のCMを削除するのも、負の影響額について請求するのも自由だ。降板させるのはあまりにも“やりすぎ”ではないか、と声が上がっている。
しかし、それらの声を上げている方々が、売り上げやブランドイメージの減少を補償してはくれない。芸能人を降板させることがファンからの批判を浴びてマイナスの影響を与えるかもしれないが、それも結果責任を企業が負えばいい。
ただし、起こした事件が報道されているとおり、「酔っていました。自宅を間違えました」という内容だとする。ならば、これから連鎖的に吉沢さんを敬遠する動き、があるとすれば、それはやりすぎだと思われる。
例えば吉沢さんは2月14日に主演映画が公開予定だが、これがもし公開延期や公開中止になれば、というような話だ。
これまでにCMが削除された芸能人事例
なお正直にいえば、この原稿は依頼を受けて書いているものであり、私自身はさほど吉沢さんの事件を問題視していないことを申し上げなければならない。
まず、私は東洋経済オンラインに、バラエティ番組で活躍していた一流芸能人が、他の芸能人に「○ね」と投稿した騒ぎをとりあげた。その際に私は、当該の一流芸能人が登場する一連のCMが削除されるのはやむなしと述べた。というのも、現在、日本には相当数に精神的に病んだ方々がいる。いつか最悪の結論を自ら選択するかもしれない。
そんなときに、いつもテレビで登場する一流芸能人が他者に「○ね」と投稿していたら、最悪の選択肢を提供しかねない。「○ね」と言われた相手も一流芸能人である。その一流芸能人であってすら「○ね」と言われているのだから、自分自身に自信をもてなくなるかもしれない。
もしかすると「それは考えすぎでしょう」と言う人がいるかもしれない。そうかもしれない。これは個人の価値判断によるだろう。「あのねえ『○ね』なんて冗談でしょうよ。堅苦しいこというな」と述べる方もいるだろう。
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