ブラジル当局の発表を受けて、中国のBYD本社は企業イメージの低下を防ぐための“火消し”に躍起だ。
「工事を請け負っていた建設会社は、わが社が求めた水準の労務サービスを作業員に提供していなかったことが判明した。そのため、問題の建設会社との契約を直ちに解除した」
財新記者の取材に対して、BYDはそうコメントした。また、契約解除の影響を受ける労働者に対して、BYDブラジル法人は「(被った不利益の補償を求める)すべての権利を保証する」と述べた。
ブラジルへの赴任経験を持つ自動車メーカーの関係者によれば、ブラジル当局は労働者の権利保護を重視しており、過去にもインフラ建設工事などを請け負った中国企業が同様の問題に直面したケースがあるという。
労働監督基準に大きな落差
「中国国内と海外では、労働環境や労働強度に関する(監督当局の)基準に大きな落差がある。海外進出する中国企業は細心の注意を払うべきだ」。上述の関係者はそう強調した。
BYDはブラジル工場の建設と同時に現地市場を積極開拓しており、その進捗は順調だ。同社によれば、ブラジル市場における2024年の販売台数は12月中旬時点までで約7万台と、前年同期の4倍近くに増加した。
同社はブラジル工場を2025年3月に稼働させ、同年末までに1万人の雇用を生み出す計画だった。それだけに、工場の建設中断が長引けば戦略の見直しを迫られる可能性が否定できない。
(財新記者:蘆羽桐、余聡)
※原文の配信は2024年12月24日
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