三菱ふそう「スーパーグレート」
続いては大型トラックの公道試乗だ。6年ぶりにフルモデルチェンジを行った三菱ふそうの大型トラック「スーパーグレート」を紹介する。筆者は1996年に初代「スーパーグレート」が誕生した当初から試乗を行ってきたが、当時から幾度となくキャブ(乗員スペース)の小変更が繰り返されたものの大きな設計変更はなかった。
今回は大がかりなスキンチェンジを行い前面パネル、ラジエーターまわり、灯火類などを変更し従来型と見た目は大きく異なる。よって外観だけみればまったく異なるキャブをもっているように思える。
しかし乗用車と異なり、商用車、とくに大型トラックともなるとキャブやフレーム、サスペンションの構造などいわゆる骨格部分は長きにわたって活用される。それは、重量物を安全に運ぶための設計思想はすでに完成の域に達していること、乗用車のように複数の車種でプラットフォームを共有することがむずかしいことなどが長期活用の理由だ。また、需要と供給の関係からも乗用車のような大量生産/販売も期待ができない商用車特有の事情もある。
3つの開発コンセプト
新型スーパーグレートの開発コンセプトは次の3点だ。
①経済性能。2025年度に導入予定の重量車燃費基準であるJH25モード(2025年度燃費基準)に対応した。対応策のひとつとして新型スーパーグレートでは新型エンジン「6R30」型を搭載した。従来モデルでは「6S10」型(7.7L)と「6R20」型(10.7L)の2本立てだったが、新型では排気量を大きくした12.8Lエンジンを加えた。いずれも直列6気筒エンジンだ。
試乗したのはスーパーグレートのFSカーゴモデル(8×4低床)で搭載エンジンは6R30型の低出力版T1型。低出力とはいえ最高出力は394PS/1600回転、最大トルクは2000N・m/1100回転と十分に強力だ。ちなみに高出力版T2型で421PS/1600回転、2100N・m/1100回転と一段と力強い。なお、6R30型のポテンシャルは高く、最大530PS/2600N・mのスペックを誇る。
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