NHKが「紅白歌合戦」で受信料に言及のびっくり "スタエン抜き"でも盛り上がった印象だが…
個人視聴率は2020年以降のデータしかないので、長期的に比べるには世帯視聴率で見るしかない。2000年代は「紅白」の視聴率は40%を切ることはほとんどなかったが、2010年代後半から乱高下が始まった。2019年に37.3%まで下がった翌年、2020年は40.3%にまで上がった。
コロナ禍で人々が巣ごもり生活になり、テレビ全体の視聴率が上がった結果だ。ところが人々が放送に飽き、テレビ受像機をネットにつないでYouTubeやNetflixなど有料無料の配信サービスを見るようになった。テレビ放送全体の視聴率がぐんぐん下がり、「紅白」も2021年には34.3%まで大きく下がった。
この年はNHKホールが工事で使えず、メイン会場が東京国際フォーラムとなったことも大きいのではないか。翌年2022年はNHKホールに戻り、久々の有観客での開催となったせいか35.3%に持ち直した。ところが2023年は31.9%へと再び大きく下がってしまった。この流れで進むと2024年はまた数%下がる気がしていた。それが「下げ止まった」のは大きな変化に思える。
ただこれも、テレビ視聴率全体の傾向によるものかもしれない。
ダウントレンドが緩やかになった
ここ数年の上半期(4月〜9月)のPUT(総個人視聴率)の推移を見ると、先述の通りコロナ禍で2020年に急上昇したあと、ぐんぐん下がっていた。ところが2024年は0.3%減にとどまっている。ダウントレンドが緩やかになってきたのだ。
つまり「紅白」もこの流れの影響を受け、下げ止まったと見ることができる。放送からネットへのテレビ視聴の大きな変化が一段落つき、胸をなで下ろすタイミングが来たのかもしれない。
さらに、NHKプラスを通じて配信で見た人も増えただろう。YouTube「NHK MUSIC」では「ハイライト」も出場歌手ごとでも動画が視聴でき、莫大な再生数になっている。「紅白」はリアルタイムでなくても楽しめる番組になった。
2024年の「紅白」にはもうひとつ、見るべき要素がある。旧ジャニーズ事務所、スタートエンターテイメント(以下、スタエン)所属タレントの不在だ。
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