NHKが「紅白歌合戦」で受信料に言及のびっくり "スタエン抜き"でも盛り上がった印象だが…
2023年に発覚したジャニー喜多川氏による性加害の影響で、同年の「紅白」は旧ジャニーズ事務所の出場者がゼロになった。2024年はどうなるかと思われたが、10月16日の定例会見でNHK稲葉延雄会長がスタエン所属タレントについて「新規起用を再開する」と明言した。
「被害者への補償と再発防止の取り組み、経営分離も進んでいる」のが理由としたが、どう見ても「紅白」に向けて出演交渉をするタイミングでの発言。NHK自身の反省はどうなっているのかと疑問に感じたのは私だけではないだろう。
ところがその4日後に放送された「NHKスペシャル ジャニー喜多川 ”アイドル帝国“の実像」ではあらためて性加害問題をえぐり出し、最後にNHKのコメントとして「この問題はこれで終わったとは考えていません」と表示した。稲葉会長の「再開宣言」との整合性がとれていないように感じた。
結局、スタエン所属タレントは紅白に出場しなかった。NHKはラブコールを送ったが、件のNスペが作用したかはわからないが、振られた形だ。
女性の視聴率が大きく下がった2023年
2023年の「紅白」については1年前の記事で分析し、女性の視聴率が各年代で大きく下がったことを示した。
なにしろ2022年にはSixTONES、関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)、なにわ男子、KinKi Kids、Snow Man、 King & Princeの6組が出場したのに2023年はゼロになったのだ。一気に失ったことは大きな痛手になったはずだ。だからこそ、わざわざ会長に「再開宣言」をさせたのだろう。
それでも2024年の「紅白」視聴率が下げ止まったのは、テレビ視聴率全体の流れもさることながら、内容も良かったせいだと私は思う。スタエン所属タレントが抜けた痛手は、もう乗り切ったと言っていいのではないか。
すでにあちこちで記事になっている通り、B’zのサプライズ演奏や藤井風のNYからの生演奏、南こうせつとイルカの名曲デュオに西田敏行の追悼企画、ドラマ「虎に翼」とその主題歌を歌う米津玄師のコラボなどなど、素晴らしい企画が次々に登場した。
中高年としては、自分の知らないレベルの高いアーティストを知る機会になったのも良かった。魅力的な音楽番組として、今後も期待したい。
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