財務省案の新型軽減税率に自公猛反発 軽減税率そのものが本末転倒ではないのか

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消費額に応じた還付の上限額は、今のところ一人4000円を軸に検討されている。消費税8%引き上げ時の逆進性対策では「簡素な給付措置」として、対象者2200万人に6000円ずつ配られている。ならば今回も、4000円を同じ方法で配ったほうが手っ取り早い。

タコがタコの足を食ういびつさ

最大の問題はなぜ消費税率を上げるのか、という議論の出発点が忘れられがちな点だ。増税は借金(国債)で賄っている社会保障の財源の穴埋めをするため。「8%への増税時に起きたことを見れば、消費税に消費者が非常に敏感だということは明らか」(公明党の斉藤鉄夫税制調査会長)としても、10%に引き上げてもなお財政赤字は残る。増税分の貴重な財源を食う形の負担軽減策には、タコがタコの足を食ういびつさがある。

15日に開催された与党税制協議会の終了後、自民党の野田毅・税制調査会長は「(財務省案と公明党案を)並べながら勉強していく」と述べ、議論の行方は見えなくなった。

タイムリミットは税制改正大綱をまとめる年末。議論次第では、政権を大きく揺るがす、安全保障法案以上の時限爆弾になるかもしれない。

「週刊東洋経済」2015年9月26日号<19日発売>「核心リポート04」を転載)

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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