岸田派「宏池会」解体後の人間関係は変わったのか 官房長官が陥りがち「官邸病」への向き合い方は

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青山和弘(以下、青山):2024年の自民党総裁選挙に出馬されて、林さんは9人中4番目という結果でした。私は林さんが出られたときに率直に、岸田政権の官房長官で、その岸田さんが辞めた後の選挙だから、なかなか厳しい戦いになるだろうと思いました。

その意味では善戦したという見方もできると思いますが、林さん自身はどう総括されていますか。

林芳正(以下、林):総裁選が終わった直後に同じことを聞かれた際、思わず「素晴らしい成績をいただいた」と言ってしまったのですね。それが素直な実感だったのだと思います。岸田政権で官房長官をやっていたのもあり、周りにも当初は出ると思われておらず「出るとわかっていたら応援したのに」という声も結構いただきました。

「次の総裁は誰がいいか」という世論調査での支持率は、最初1%くらいにとどまりました。ただ、自分には「岸田政権でこれだけのことをやってきた」という自負がありました。広島サミットや、デフレ脱却への道筋をつけたことなどもそうです。

(岸田路線を)継承すべきところは継承していくという候補者が1人くらいいてもいいんじゃないかという思いがあったので、非力を顧みず出馬した。その主張はきちんとできたと思っています。

派閥解体でも人間関係が消えないのは自然なこと

青山:岸田派という派閥は岸田さんが率先して解散されましたが、総裁選で林さんを支持した議員はほとんどが岸田派だった面々で、派閥候補的な存在だった。この点の「矛盾」を指摘する声もありましたが、どう受け止めていましたか。

:ずっと30年近くこの仲間内でやってきたので、派閥がなくなったからといって「もう知りません」という関係性ではありません。単に一緒にいたというだけでなく、政策を一緒に進めたりしてきたわけで。その中での人間関係が残っているのは、ごく自然なことかなと思います。

青山:振り返ってみると、宏池会、岸田派の結束力は非常に強いですね。いまだに岸田さん、林さんの関係性も強いと感じます。宏池会の独特の体質、性質があるのでしょうか。

:もともと宏池会に入る人は政策的に近いものがあると思います。歴史をたどれば、自由党と民主党が一緒になって自由民主党ができたわけですが、(宏池会は)自由党の系譜を引いています。「政策集団」と標榜してきただけあり、やはり政策をやっていくうえでのつながりは強い。ずっとそういうものだろうと思ってやってきました。

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