「短大で"アイドル"を学ぶ」現地取材した驚く実態 「西短MP学科さくら組」の知られざる真実

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しかし現実的には、アイドルになることは、そんなに都合よく簡単なことではない。なぜなら通常、アイドルは、アイドルであると同時に、ビジネスの側面も持ち合わせているからだ。

事務所に所属すれば、多方面で売り上げに貢献せねばならず、アイドルを経験し「合わなかったからやっぱり辞めます」と簡単にはいかない世界だ。

では、サークル活動でアイドルをやってみるのはどうなのか。

いまや各大学にはアイドル研究会やアイドルのコピーサークルなどがあり、有名なところでは「UNIDOL(ユニドル)」といった大学アイドルサークルの日本一を決める大会まである。

彼女たちはあくまでも大学生であり、プロのアイドルではない。

そして、あくまでもサークル活動は趣味であり、大半の場合は楽しむためにやっているものだろう。

鈴香さん
鈴香さんはアイドル活動をしながらも自らの軸を舞台俳優に置き、アイドルのステージングを学んでいる(写真:筆者撮影)

アイドルをやって変わった性格

「私はアイドルも知らなかったし興味もなかったんです。『向いてない』と思いつつも、『高校までの自信のない自分を少しでも変えたい』と思って、この大学でアイドルになろうと思いました」(2年・北島侑奈さん)

他のメンバーとは一線を画した回答をくれたのは、北島侑奈(きたじま・ゆきな)さん2年生だ。

北島さんは卒業後、一般企業への就職を考えている。高校時代に放送部に所属したことがきっかけでラジオやナレーターを志したが、西短でアイドルを経験したことで自分自身に何が合っているのかを学んだとう。

「アイドル活動を通して、自分の中でのギャップに気がついたんです。学内でのアイドル活動では気づかなかったのですが、学校以外でのイベントに出演したときに、お客さんやスタッフのみなさん、いろんなものが自分自身のアイドルへの熱量や何かが違うなと思ったんです。それをこの2年間で学べてよかったですね」(2年・北島侑奈さん)

北島侑奈さん
北島侑奈さんはアイドル活動を通して、そのスキルを社会人として活かせることを学んだという(写真:筆者撮影)

北島さんは自身がアイドルとして足りないものを考えた。そして、人を笑顔に元気にできるのはアイドル以外にもあることを学んだ。

アイドルを通して消極的だった自分が人前に出て笑顔でいられるくらいに変わったことを嬉しそうに話してくれた。

こういったことを2年間通して学べると言えるのは、プロのアイドルではなく大学生であるからこそだろう。

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