ガザで「光」を見たイラク人10年ぶりの救出劇 ユダヤ教の「ハヌカ」を期に振り返る苦難の物語

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家族を失った悲しみ、平和な故郷を陵辱された怒り、失われた自らの10年間を振り返り、様々な感情に苦しめられている。2人の子どもとは、ずっと会えていない。

「ハマスはISと同じです」

ファウジアさんの証言によると、ガザ地区には奴隷として売られたヤズィディ教徒が他にもいるという。

「拉致されて今も人質になっているイスラエルの方々が、1日も早く家に帰られるよう願っています。彼らがどのような日々を過ごしているのか、私にはわかるからです」

ガザ侵攻がもたらした救出劇

イスラエルがガザに地上侵攻しなければ、ファウジアさんが助かることもなかった。ISから救出されるのは稀なケースだった。『THE LAST GIRL』(東洋館出版社)を著したヤズィディ教徒のナディア・ムラドさんもISに性奴隷として誘拐された後、九死に一生を得た1人だった。

その後、同胞を救出する活動を続け、2018年にノーベル平和賞を受賞している。

ガザ地区のどこかに、今もハマスに拉致されたままの人が100人いる。ハヌカ祭を迎えるにあたり、イスラエルでは、闇を駆逐する神の光が今の時代に現れるよう、祈りが捧げられている。

谷内 意咲 ミルトス代表

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たにうち・いさく

1972年大阪生まれ。1998年ヘブライ大学ヘブライ言語学科、ユダヤ学学科卒。1999年ユダヤ・イスラエル・中東関連の出版社ミルトスに入社、2016年同社代表取締役に就任。ヘブライ語聖書対訳シリーズ編集委員、雑誌「みるとす」編集代表。

著書に『今日からわかる聖書ヘブライ語』『今日から読めるヘブライ語』、訳書に『賢者たちの【聖書】伝説 上・下』『ユダヤジョーク 人生の塩味』(いずれもミルトス編集部編訳)など。

NHKのBS番組「ダークサイドミステリー」の「神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論」(2023年7月13日放送)に、ヘブライ語の専門家として出演。

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