EUがiPhoneの「AirDrop」の公開を要求する背景 USB-Cに続き独自技術開放を迫る

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F1などのモータースポーツや、オリンピックなどのスポーツにおいてもそうだが、勝ち目がなくなってくると「不平等だ」とルールを変更するのはヨーロッパ諸国の常套手段ではある。「インターネットに関するすべてをアメリカに握られて、対等に競争するのが困難」というのは、日本や中国にとっても同じこと。戦略という意味で考えると、DMAが理不尽だろうがなんだろうが、EUの意見に賛同した方が日本にとって「得」という側面はなくはない。

なぜ、独自開発の技術を公開しなければならないのか?

しかし、ひとりのiPhoneユーザー、アップルファンとしては、アップルが自ら切り開いたイノベーションを切り崩されていくのは面白くない。DMAの要求は明らかに理不尽だ。

使いやすいインターフェイスがあり、革新的な技術があり、その積み重ねでiPhoneやiPadなどの素晴らしい製品がある。自社でコストを払って開発した独自技術を、無償で公開していかなければならないとしたら、独自に便利な技術を開発していく意味がないのではないか? 高いデザイン性とユーザビリティを持つアップル製品が好きな筆者としては、いくらアメリカの優位性を削ぐためとはいえ、EUの不当なやり方に賛同しかねる。

独自技術や革新に価値がないなら、開発費は投じられなくなり、イノベーションが起こらなくなる。それは望ましいことではないだろう。とはいえ逆にアメリカ政府が対抗措置としてEU製品に重い関税をかけたりしたら泥沼の戦いだ。

みなさんは、EUのDMAについて、どう思われるだろうか?

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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