「まるで韓流ドラマ」戒厳令で出た名せりふの数々 国会議長、与党代表……国家機密の軍人まで登場

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最近、談話を出したのは2024年12月14日。弾劾訴追案が国会で可決されると、ほどなく発表した。

尹大統領は「韓米日協力を復元し、グローバル外交の地平を広げるため、昼夜を問わず走り続けました。『大韓民国1号営業社員』として世界を駆けめぐり、成果を上げた時には言葉にできない大きなやりがいを感じました」と自らの実績を強調した。

さらに、反省どころか、憲法裁判所の決定や捜査を乗り越えて、続投に意欲をみせるような発言を続けた。

「つらかったが幸せだった、そして大変だったがやりがいのあった、その旅程をしばらく止めることになりました。これまでの努力が無駄にならないか、もどかしいです」
「私はいましばらく立ち止まりますが、この2年半、国民と共に歩んできた未来への旅程は決して止まってはならない。私は決して諦めません」

韓国版流行語大賞に「跳梁跋扈」

韓国でも年末に、日本の「新語・流行語大賞」のような言葉が選ばれる。韓国の場合は1年を象徴する四字熟語で、大学教授らにアンケートした結果が出る。

2024年は尹大統領が「非常戒厳」を宣布した12月3日の前日の2日で締め切られたため、今回の混乱は反映されていない。

それでも1位は「悪人がのさばり、世にはびこる」という意味の「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」。2位は「厚かましく恥知らずな面の皮の厚い」ことをいう「厚顔無恥」だった。

韓国のソウル新聞は、1位になった「跳梁跋扈」を推した教授のこんなコメントを伝えている。

「跳梁跋扈は権力を持つ者が高みで勝手な行動をし、周辺の人々をむやみに踏みにじり、自分の仲間を率いて暴れる姿を意味する古語」
「権力者たちは、任された権力を私的な利益と偏愛する集団の特恵のために常に乱用し、悪用する」
「その最悪の事例が12月3日の深夜に大韓民国を突然強打した非常戒厳令だ」

箱田 哲也 朝日新聞記者

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はこだ てつや / Tetsuya Hakoda

1988年4月、朝日新聞社入社。初任地の鹿児島支局や旧産炭地の筑豊支局(福岡県)などを経て、1997年から沖縄・那覇支局で在日米軍問題を取材。朝鮮半島関係では、1994年にソウルの延世大学語学堂で韓国語研修。1999年からと2008年からの2度にわたり、ソウルで特派員生活を送った。

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