「まるで韓流ドラマ」戒厳令で出た名せりふの数々 国会議長、与党代表……国家機密の軍人まで登場

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2024年12月14日(土)、韓国・ソウルの国会で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する2度目の弾劾訴追案の採決を前に、本会議の冒頭で小槌を打つ禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長。議長の発言などが話題になった(写真・2024 Bloomberg Finance LP)

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、2024年12月3日の夜に突如として発動した「非常戒厳」は幸いにも不発に終わった。事態は、戒厳令宣布→戒厳軍の出動→国会が解除要求決議→弾劾訴追と駆け抜け、映画さながらの展開をみせている。

この間、登場した主要人物が発した数々の言葉もまた、映画のセリフのようで印象深い。多くの犠牲の上に勝ち取った民主主義を守る戦いの中で飛び交う、力の入った呼びかけは、長く武士よりも文士が支配してきた朝鮮半島らしさを感じさせる。

人気急上昇の国会議長

これまでの混乱する韓国政局の中で、最も脚光を浴びている一人は、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長だ。

世論調査会社の韓国ギャラップは2024年12月13日、与野党代表と首相、国会議長の中で「誰が最も信頼できるか」を聞いたところ、禹議長が56%でトップだったとの調査結果を発表した。

禹議長は尹大統領が「非常戒厳」を宣告すると、公邸からすぐに国会議事堂に駆けつけた。何とか国会の中に入ろうと、塀をよじ登る67歳の禹議長の姿もネットを通じて広がった。

「非常戒厳」が出て日付が変わった12月4日未明、国会に集まった与野党議員らが、「早く採決を!」とせかす中、禹議長は「このような事態だからこそ、手続きを間違えば問題になる。(われわれは)真に非常な覚悟で体をなげうち、(戒厳令を)阻止するのです」と一喝し、議員らに落ち着きを取りもどさせた。

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