「まるで韓流ドラマ」戒厳令で出た名せりふの数々 国会議長、与党代表……国家機密の軍人まで登場

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それでも辞任会見ではあえて「保守」にこだわり、発言を続けた。

「私たちは、わが党が輩出した大統領の不法戒厳を阻んだ。それこそが本当の保守の精神だ」
「私たちが陰謀論者や極端なユーチューバーに同調したり、彼らが商業的に生産する恐怖に蚕食されたりするなら、保守の未来はないだろう」
「(弾劾賛成の立場を最後まで維持したのは)どんなことがあっても大韓民国と主権者である国民を裏切らない、と心に決めたためだ」

国会には韓氏を支持する熱烈なファンたちが詰めかけていた。韓氏はその支持者たちに向かって、こう語り、去った。

「みなさん、私を守ろうとしないでくれ。私がみなさんを守るんだ!」

存在が機密の軍人も登場

今回の弾劾事態では、政治家のみならず、「非常戒厳」にかかわった軍人が次々にカメラやマイクの前に登場している。国会への出動を命じられたのは、陸軍特殊戦司令部の第707特殊任務団だった。

第707特殊任務団の団長、キム・ヒョンテ大佐は2024年12月9日、ソウルの戦争記念館前で記者会見を開いた。

キム氏は身元を明かすこと自体が機密に該当するとされ、本来であればメディアの前で話すことは認められていないというが、この日はベレー帽をかぶった軍服姿で、カメラの前に立った。

韓国メディアの報道では、キム氏は「(第707特任団の)部隊員たちは金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防相(当時)に利用された被害者だ」して、涙声で彼らを許してほしいと訴えた。

「隊員に罪はない。あるとすれば無能な指揮官の指示に従った罪だけだ」
「第707部隊員がやった、あらゆる過ちの責任は指揮官である自分1人で背負う」
「私は無能な指揮官だ。戦闘でこのような命令をしていたら、全員死亡していただろう」

ところで、「非常戒厳」の張本人である尹大統領は、これまで国民に向けた談話という形で、自らの意思を伝えてきた。自身の大統領の任期を含めて与党に一任すると言ったかと思えば、弾劾訴追の動きや捜査にも最後まで戦うと表明するなど、迷走ぶりが目立つ。

韓国メディアも「まったく反省していない」「開き直りぶりにあきれる」といった街の声を伝える。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事