日本株の「長期上昇相場」はまだ終わっていない 2025年アメリカ発の「嵐」が来たらどうなるのか
今週(23~27日)は週央の25日水曜日がクリスマスで世界の主要市場は休場で、その前後も短縮取引などで閑散相場が予想される。しかし、日経平均は最近の3万9000円を挟んでのモミ合いの中で、「しこりができた」というよりも、むしろ「売り物をこなした」とみる。これが押し目に買いが入る大きな理由だ。
2025年は嵐が来ても日本の投資家にはマイナスにならず
相場格言では「閑散に売りなし」と言われるが、2025年に期待感があれば年末は強い。今週の閑散相場でも2025年に期待する投資家が多ければ、強含みの展開が予想される。
直近のアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)でのタカ派的利下げで、2025年中の利下げ回数の予想は4回から2回に修正された。また日銀の追加利上げも12月会合は見送りになり、2025年の追加利上げの時期は「賃金動向次第」とはっきりしている。
一方で為替は1ドル=150円台の半ばをはさんで円安が定着しかかっており、企業の10~12月期の業績期待も高まっている。もちろん、この円安が続けば、2025年1~3月期も順調で増益が続き、2025年に期待する投資家は多くなると思っている。現在、2025年度の上場企業の予想増益率は4%~10%程度と意見が割れているが、インフレになれば名目増益率は予想以上に上がる。
また、インフレ相場を前にして、例えば王子ホールディングスのような含み資産の多い企業がPBR(株価純資産倍率)約 0.5倍とは、あまりにも評価不足ではないか。最近この「含み資産」というキーワードがチラホラ目につくようになってきた。東京証券取引所が要請している「資本効率改善」への期待も一段と高まり、2025年は本格化するだろう。
2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』は主人公まひろ(紫式部)の「道長さま、嵐が来るわ」の言葉で終ったが、筆者はこれから始まる2025年のアメリカを指すような強烈な印象を受けた。トランプ2.0のアメリカがどうなるのか、日本の投資家は固唾を飲んで2025年の1月20日を待っている。
しかし、「掘って、掘って、掘りまくれ」なのだから、原油価格が上がらないソフトインフレの時代が来るということだ。米中両国の対立が激しくなれば、漁夫の利が日本にめぐって来る。「嵐」は必ずしも日本の投資家にとってマイナスではない。日本は平安時代の後、長い戦いの時代を経験するが、安土桃山時代を経て平和な江戸時代に移っていく。とにかく「押したら買い」は変わらない。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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