ファーウェイの自動車部門「分離独立」で目指す先 スマートカー向け「巨大部品メーカー」が誕生か

✎ 1〜 ✎ 273 ✎ 274 ✎ 275 ✎ 276
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

引望智能技術への資本参加を真っ先に表明したのは、国有自動車大手の長安汽車だった。同社は傘下の高級EVメーカー、阿維塔科技(アバター・テクノロジー)を通じて115億元(約2410億円)を出資し、引望智能技術の株式の10%を取得した。

ファーウェイ主導の新型車開発で最初のパートナーとなった民営中堅メーカーの賽力斯集団(セレス)も、長安汽車と同額の出資に踏み切った。

ファーウェイはスマートフォン事業で培った技術をスマートコクピットに活かしている。写真は奇瑞汽車と共同開発したSUV「智界R7」の車内(鴻蒙智行のウェブサイトより)

賽力斯集団が開示した資料によれば、(出資時点の)引望智能技術の企業評価額は1152億6000万元(約2兆4154億円)に上る。その裏付けとなるファーウェイの自動車関連事業の純損益は、2023年は55億9700万元(約1173億円)の赤字だったが、2024年上半期(1~6月)には22億3000万元(約467億円)の黒字に転換した。

ボッシュやZFの脅威に

財新記者の取材によれば、(鴻蒙智行のメンバーである)国有中堅メーカーの奇瑞汽車(チェリー)や江淮汽車(JAC)も引望智能技術への資本参加を計画している。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

国有自動車大手の広州汽車集団は11月30日、ファーウェイとスマートカー事業に関する戦略提携契約に調印し、新たな高級車ブランドを共同で立ち上げることに合意した。同じく国有大手の第一汽車集団や上海汽車集団も、ファーウェイとの提携が噂されている。

すでにファーウェイと協業している完成車メーカーのある社員は、スマートカーBUの現在の実力について次のように評価した。

「彼らは事実上、完成車を作る実力を持っている。ドイツ自動車部品大手のボッシュやZFなどに取って代わる、スマートカー分野の世界的な『メガサプライヤー』に成長する可能性がある」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は12月13日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事