中年の恋リア「あいの里2」ハマる人続出のワケ 今どきバズりのヒントも詰まる「熱量の高さ」

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あいの里
「あい里」シーズン2で第1話から登場する女性5名、男性4名のあわせて9名。今回から参加者は公募で選ばれた。応募者は「50代女性」が最多だったという(画像:Netflix)

黄色信号が灯る言動は自粛する傾向だが

今の時代、不適切さが敏感になるあまりに少しでも黄色信号が灯る言動は自粛する傾向があると思います。特に地上波のテレビはその傾向が強いです。Netflixの場合、有料配信メディアと言えど、“ギタりん”の女性に対する言動はギリギリアウトだったように見受けられました。丸々カットしてしまう選択もあったかと思いますが、「あいの里」は何事もなかったかのように“ホワイトウォッシュ”(美化)はしません。

一時離脱という処置はしつつ、反省して戻ってきた“ギタりん”を追い続けます。そのタイミングでカメラが捉えたのは“あやかん”が“ギタりん”にかけたこの言葉。「3日間くらい無言で過ごしたらええから」。ダサいことをした相手に対する最高に優しさのある言葉なのではないでしょうか。これだから「あいの里」を熱く語ってしまうのです。

毛色は異なりますが、コロナ禍に世界中でバズったNetflixのドキュメンタリーにも類似する点があります。「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者⁈」というタイトルのものです。動物愛が行き過ぎたエキセントリックな人物たちを追い、人間の“滑稽さ”を思う存分に表していました。スタイリッシュさが1つのブランドイメージにあるNetflixコンテンツの中で当時、目立っていました。

「タイガーキング」は批判的な目を持って作られているのでその点は大きく違います。「あいの里」はリアリティ番組として作り手が愛情を持って参加者たちを捉えています。QUEENの名曲「Don't Stop Me Now」にのせて、中年の恋にダサくとも思わず応援したくなる力があります。

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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