まだ「投資は不安…」と思ってる人に伝えたいこと 初心者の「8つの不安・疑問」をプロが解説:前編

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A:まだ若く、まだ投資を始める前で、まだ資産があまりない段階で、人生設計を立てようとするのは難しくて当然だと思います。

いまの時代、10年先にいまの勤務先に絶対に勤めているとは言い切れないと思います。結婚しているか独身かも、子どもがいるのかいないのかも、想像がつかないでしょう。住宅も賃貸なのか、ローンを組んで購入しているのかもわかりません。

そのなかで、人生設計をはっきり立てられる人のほうが少数派だと思います。

ですので、この際、人生設計は棚上げしてしまってかまいません。まずは、投資を始めてしまいましょう。人生設計はお金が増えてから作ればいいです。お金が増えれば見えてくるものがあると思います。

「投資抜き」の人生はどうなる?

Q:投資抜きの人生設計は無理があるでしょうか?

A:残念ながら、いま日本のビジネスパーソンを取り巻く環境は厳しいです。

(1)賃金は増えると思わないほうがいいでしょう。この数年、賃金の「額」は増えていますが、実は物価の上昇には負けています。つまり、実質的には増えてはいないということです。

(2)終身雇用はいつまで続くでしょうか? すでに年功序列はなくなり、実力主義・成果主義にシフトしました。役職定年という制度ができて、55歳くらいで賃金が20〜30%カットされる会社も増えています。

(3)退職金も増えないでしょう。大卒の総合職の労働者が定年退職したときの退職金の額は、やや右肩下がりの傾向です。

(4)日本円の金利は大きくは伸びないでしょう。ということは、預金ではお金はそれほど増えません。

(5)公的年金は、実質的には減る見込みです。物価上昇率が高くても、公的年金額の上昇を抑える「マクロ経済スライド」という仕組みが存在しています。

(6)寿命が伸びます。生きていくには、それだけお金が必要です。

(7)増税がたびたび議論されます。増税は資産形成のハードルを上げます。

(8)社会保険料も増加しています。同じく資産形成のハードルを上げます。

(9)インフレです。物価高を肌で感じられていると思います。それだけ、必要とするお金の量が増えます。

(10)親の介護、自分の介護を想定しておいたほうがいいです。内閣府の『令和4年版高齢社会白書』によりますと、75歳以上の高齢者が要支援か要介護になる割合は、およそ3人に1人という統計データがあります。

介護には少なからずお金が必要です。私の父親のケースでは、おむつ代だけでも月2万円も必要です。

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