初対面たった数秒で人を判断するのが妥当な理由 人間が太古の時代から培ってきた本能がそこに

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一瞬で相手を判断するなんて馬鹿げていると思うだろうか。確かに、相手を一瞬で見きわめようなんて誰も思わないだろう。それでも、脳はそうやって学習しながら生存の可能性を高めてきた。

つまり脳は、私たちがいる状況をすべて、すばやくスキャンしているのだ。

初対面の人と会って最初に見きわめるのは、その人が友好的で気持ちが通じ合うかどうかだ。

人類は太古の時代、目の前の人物が敵か味方かを瞬時に判断するようになった頃から、ずっとそうしてきた。つまり、これは生存の機能なのだ。ワニ脳はこの機能を保持しつづけ、万が一敵と出くわしたとき、瞬時に行動できるよう待機している。

また、私たちは、相手が自信を持っているか、地位はどのくらいか、といったこともすばやく吟味する。この人の言葉は信頼できるのか? 話を聞くだけの価値はあるのか? また、その人が集団のどこに位置しているか、地位は高いのか、低いか、なども無意識に見さだめる。

自信があることが重要視される理由

私たちは集団内の自分のポジションを守り、長期的な安全を求めている。そのため、そのとき自分がどんな集団にいようと、高い地位の人のそばにいようとするのだ。

実際の能力よりも自信があることが重要視されるのは、そのためだ。私たちが相手を信用するかどうか決めるとき、いちばんの判断材料は、その人が自分の持っている考えや情報をどのように示すか、だ。

その人が落ち着いていて何も不審なところがなければ、こちらは差し迫った危険はないと判断して緊張を解く。

ところが、目を合わせない、不安そうにしているなど不審なところがあると、ワニ脳は危険が迫っていると判断する。常に安全なところにいて危険に備えておくことが、生存の可能性を高める。だから、目の前にいる人物が不審なシグナルを発していたら、私たちは警戒し、その人物を信用しない。

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