初対面たった数秒で人を判断するのが妥当な理由 人間が太古の時代から培ってきた本能がそこに

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人間には、このような反応が、生物学的プログラムとして組み込まれている。これを頭に入れておけば、ベストな形で人と接することができるだろう。

人と会うときには、次のことを思い出してほしい。第一印象が決まる瞬間も含め、その人と接しているあいだは常に背筋を伸ばし、両足に均等に体重をかけて立とう。また、にこやかな表情でアイコンタクトをとること。そして手のひらを見せるなど、オープンなジェスチャーを使いながら、親しみをこめた口調で話そう。

ある大企業の講演会に参加したときのこと。その講演がはじまったときに見た講演者のふるまいは、いまでもはっきり思い出せるほど強烈に頭に焼きついている。

第一印象と振る舞いで判断される

その講演者の女性は、コミュニケーション・マネージャーだった。彼女は聴衆の前に立ち、腕時計を見下ろしながら緊張した声で言った。「ええと、もう時間は過ぎていますね。はじめないと」。そして開いたドアの向こうに目をやると、こう訊いた。「まだ席についていない人はいますか?」

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それから、「今日は何人かゲストに来ていただいていますが、その前にお話ししたいことがあります」と言った。彼女はゲストのほうを見向きもせず、歓迎の挨拶をするわけでもなく、ただゲストが座っているほうに手を差しのべると、何かを払いのけるようにさっと振った。

私は、ゲストの1人だった。その講演者のしぐさは、まるでゲストたちを追い払おうとしているように見えた。私たちゲストは、互いに顔を見合わせた。きっと同じように感じたのだろう。まるでハエみたいに追い払われている、と。

「第一印象」は大切だ。そして、「次にどんなふるまいをするか」も重要だ。出会いの場面での講演者の非言語コミュニケーションは、誰が見ても明らかだった。聴衆のほうをほとんど見なかった。ゲストのいるほうも、ちらりとさえ見なかった。しかも、あろうことかゲストを追い払うようなしぐさをした。

非言語コミュニケーションは、コミュニケーション手段のなかでも最強の手段だ。

レーナ・スコーグホルム 行動科学研究者、講演家、教育者

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Lena Skogholm

年に80回近く講演や講義を行い、スウェーデンで最も人気のある講師100人の1人に選ばれた。温かさとユーモアにあふれる語り口と、明快でわかりやすい解説には定評があり、2021年には、スウェーデンのすぐれた講演者に与えられるStora Talarpriset賞を受賞した。25年にわたり研究を続ける脳科学にもとづいた人づきあいのメソッドは、職場や私生活で今すぐ役立つツールとして、高く評価されている。

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