「石破政権」維持のカギとなる公明・斉藤氏との関係 「結党60年」の原点回帰で"微妙な神経戦"も
約50分間の与党党首会談で斉藤氏は、選択的夫婦別姓制度の早期導入に向け「細部を詰める必要がある」として、両党の実務者レベルで協議を始めることを提案。ただ、石破首相は「党内で協議する」と即答を避けるなど、立場の違いも隠せなかった。
斉藤氏は同制度の導入実現に向け、「戸籍制度改革や子どもの姓選択の方法を与党で検討する必要がある」と指摘。会談に先立つラジオ番組でも、「導入法の制定は議員立法が望ましい」との石破首相の発言に関して「内閣提出の法律によって規定すべきで、もう決断するときだ。しっかり(石破首相を)説得していきたい」と強調していた。
政資法再改正で公明が国民民主と連携
これに先立ち、政治資金規正法再改正問題でも、公明党は国民民主党と連携し、政治資金をチェックする第三者機関を国会に設置するための法案を共同で衆議院に提出、与野党合意による今国会での関連法成立に道筋をつけた。具体的には、公明、国民民主両党が10日午前、政治資金をチェックする第三者機関として、国会に「政治資金監視委員会」を置くとする法案を共同提案したものだ。
この監視委員会は、国会議員に関係する政治団体の収支報告書を監視するとともに、「収支報告書に不記載や虚偽の記載があれば、訂正のために必要な措置を講じることができる」とする内容で、監視委員会の要請に基づいて、衆参両院の議員でつくる協議会が、国政調査を実施できる規定も盛り込んでいる。
公明は当初、第三者機関を政府に置き、立ち入り調査の権限を持たせるなどとした法案を独自に準備していたが、「法改正実現のため、国民民主との共同提出に踏み切った」(国対幹部)。これについて同党担当者は「第三者機関の権限の考え方が国民民主党と非常に近く、共同提出することになった」と胸を張ったが、これも、斉藤氏の意向を踏まえた動きとみられている。
こうした斉藤氏と公明党の一連の動きは、石破首相にとって「政権維持のための後押しの要素がある一方、自民党内のいわゆる保守派への牽制球ともなり、難しい対応を迫られている」(側近)ことは間違いない。斉藤氏の「首相との絆は大切だが、政治的に一定の距離も必要」との本音の表れともみえるだけに、首相は当面、「斉藤氏との微妙な神経戦に頭を悩ませる」(政治ジャーナリスト)ことになりそうだ。
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