なぜ呼子のイカは全国ブランドになれたのか 短所を長所に変えた逆転の発想

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衰退が続く日本の漁業だが、大成功している例もある(写真 : T2K / PIXTA)

かつて世界一の漁業生産を誇りながら、ピーク時(1984年、1282万トン)の半分以下まで落ち込んでしまった日本。「外国の200海里水域内からの撤退やマイワシ資源の急速な縮小などが主な理由」(農林水産省HPより)だ。そうした悪条件にあらがえず、日本の漁業は衰退が続いている。日本の漁業従事者は年々減少を続け、若い世代も少なく高齢化が問題視されている。

だが、そんな環境下でも漁業で大成功している例はある。特産をアピールすることによって漁業から街おこしまでのブランド化に成功した街。それが佐賀県唐津市にある呼子町だ。

食の一大ブランド、呼子の「ケンサキイカ」

人口5500人弱の小さな町に年間約100万人の観光客が押し寄せる。1989年に完成した呼子大橋を機に、観光客が急増し、地域資源のブランド化に成功した。観光客が求めるもの、それは食の一大ブランドにもなっている呼子の「ケンサキイカ」だ。

ベテラン漁師・古川種光さん(左)、「いか道楽」の宮本幸治さん(右)

TBSテレビ『ジョブチューン』取材班は、ケンサキイカを獲り続けて50年のベテラン漁師・古川種光さん、イカを新鮮な活き造りで食べられる店「いか道楽」の宮本幸治さんに密着。呼子のイカが全国区のブランドに育った秘密を取材した。古川さん、宮本さんは9月19日(土)にTBSで放送の「ジョブチューン〜超一流漁師SP〜」に出演する。

日本一のイカ。秘密は鮮度にあり

佐賀県北部玄界灘は対馬海流、黒潮育ちの美味しいイカが獲れる日本有数の「ケンサキイカ」の好漁場だ。そのプリプリとした食感と上品な、ほどよい甘みは「日本一美味しい」と魚好きから絶賛されている。

呼子のゆるキャラ。ケンちゃん(左・薄水色)とサキちゃん(右・薄ピンク色)

街の至る所でイカが干されていたり、イカが「遊覧船」や街の「ゆるキャラ」になったりと、呼子町はまさにイカづくし。漁業で街おこしを成功させた代表例といっても過言ではないだろう。

こんなにも呼子のイカが全国区のブランドになったヒミツは、「イカ生き作り」にある。新鮮さが命のイカを生きた状態で味わう。「イカ生き作り」は、そんな呼子のイカの真髄なのだ。一度食べればその味を忘れることができない。

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