警報レベルの大流行「リンゴ病」とはどんな病気か 子どもや妊婦、免疫力が低下している人は注意
胎児水腫とは、赤血球の産生が抑制されることで胎児に重度の貧血が生じ、体内に異常な液体がたまる状態を指します。胎児の命に関わる可能性があるため、早期の診断と適切な管理が重要になります。
妊婦さんが、何らかの理由でヒトパルボウイルスB19を浴びた疑いがある場合、医療機関ではまず血液検査を実施して、感染の有無を確認します。
この検査では、ウイルスに対してできる特異的な抗体を測定することで、感染の有無を判断します。ただし、やや特殊な検査になるので、結果がわかるまで通常は数日以上の時間を要します。
感染が確認された場合、胎児の健康をモニタリングするため、超音波検査を定期的に行います。
超音波検査では、胎児水腫の兆候や羊水量の異常をチェックします。必要に応じて専門医が関わって、貧血で減った血液を補うために胎児に直接輸血を行う胎児輸血などを検討する場合があります。これにより、胎児の生存率を高めることが可能です。
子どものときにすでにリンゴ病にかかって免疫力を持っていれば、妊娠中にウイルスを浴びても心配ないと考えられますが、妊娠中の感染症は妊婦さんにとって大きな心理的ストレスとなります。
感染が疑われる場合でも、過度な不安を抱かないよう、適切な情報提供と医療機関でのサポートを受けることが大切です。また、家族や周囲の人々が妊婦さんを支える環境を整えてあげてほしいと思います。
感染予防で行いたいこと
リンゴ病にはワクチンや抗ウイルス薬といった薬を用いた予防法や治療法はありません。抗菌薬については、むやみに使うとかえって耐性菌などの問題が出て、害になる可能性もあります。したがって、一般的な感染予防を徹底することが推奨されています。
まず、感染者との接触を避けることが挙げられます。
学校や職場などでリンゴ病の発生がわかったら、風邪症状など体調不良の人との接触は避けます。特に妊婦さんなど、リスクのある方は必要最小限の発生場所への滞在に減らします。
流行時は人混みの中にはなるべく行かないようにしましょう。
また、難しい場面も多いのですが、風邪症状の子どもとの濃厚接触や、食器などの共用も避けたほうが無難です。家庭内で感染者がいる場合の感染率は、約5割におよぶとの報告もあります。接触を最小限に抑えるため、可能な限り別室で過ごすなどの対策を取ってください。
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