警報レベルの大流行「リンゴ病」とはどんな病気か 子どもや妊婦、免疫力が低下している人は注意

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リンゴ病は医学用語で“伝染性紅斑”と呼ばれる、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。最近の古代ゲノム研究では、1万年以上前のユーラシア大陸にウイルスの起源があり、その後人類の移動に伴って世界中に広がったと考えられています。

■感染経路・潜伏期間・主な症状

感染経路は、主に咳やくしゃみなどによる飛沫感染で、新型コロナパンデミックで普及した、〈手洗い・マスク、人混みを避ける、換気に気をつける〉などの基本的な感染対策が有効です。

リンゴ病の原因となるヒトパルボウイルスB19は、赤血球の元になる細胞に感染し、軽い免疫応答(免疫が反応すること)を引き起こします。

潜伏期間は4日~28日(平均16日)程度。初期の症状は風邪に似ており、発熱や倦怠感、筋肉痛、鼻水、喉の痛みなどが表れますが、ほとんどが軽度ですみます。また、半数の人はかかっても無症状といわれています。

ただ、この時期(潜伏期間~初期)は体内のウイルス量が多く、周囲に感染が広がりやすいと考えられています。

無症状が多いうえ、症状が軽いために見逃されやすく、また、やや特殊な検査で費用と時間もかかるため、医療機関でも疑いのある方全員に検査することができません。

こうしたことから、リンゴ病と診断されていない患者さんも多く、それが感染の広がりにつながっています。そもそも完全には防ぎようがない病気なので、こうした状況を理解しておくとよいでしょう。

両側の頬が赤くなる理由

感染した子どもは初期症状の後、リンゴ病の特徴である赤い発疹が表れます。これは、先に述べた免疫応答によって、頬などの血流が豊富な場所に軽い炎症が起こり、血管が拡張するためと考えられています。

この発疹は両頬に出ることが多く、真っ赤な頬になるので、日本では「リンゴ病」と呼ばれますが、頬を引っ叩かれたようにも見えるので、英語では「頬ぶたれ病 ”slapped cheek disease”」という名称で呼ばれています。

リンゴ病の特徴的な症状(写真:アメリカCDCウェブサイトより)
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