「年金50万円の壁」見直しで高齢社員の立場が激変 役職定年制やシニア社員制度は廃止の方向へ?
この制度見直しを会社員はどう受け止めているのでしょうか。今回、会社員約40名にヒアリング調査をしました。まず、制度見直しの影響が直接及ぶことになる高齢社員から。
「私はそんなにたくさん稼いでいないので、関係のない話題です」(60代女性)、「どういう制度になるかわからないし、そんなに長く働くつもりもないので、特に感想はありません」(60代男性)という意見が目立ちましたが、制度見直しを歓迎する意見もありました。
意欲のある高齢社員は歓迎
松井陽介さん(仮名、69歳)は、現在アパレルメーカーで働いています。給与は月40万円です。年金は満額だと月20万円支給されますが、給与と年金の合計が60万円なので、在職老齢年金制度によって50万円を超える10万円の半額の5万円が減額されています(給与40万円と年金15万円の合計55万円を受け取り)。
「現在の制度を当たり前のものだと思っていたので、年金のために労働時間をセーブするということは考えませんでした。ただ、結婚が遅くて住宅ローンの返済がまだ残っているので、制度見直しで手取りが増えるというのは助かります。早期に実現してほしいですね」
ほかにも、「高齢者は元気に働けるというだけで幸せです。今回の在職老齢年金制度だけでなく、高齢者が働きやすい社会になるよう、いろんな制度を見直してほしいものです」(70代男性)という要望がありました。
現役世代の会社員にもヒアリングをしました。現役世代からは、「年金ってまだ先の話で、正直ピンときません」(40代女性)「そもそも自分が高齢者になっても働いているかどうかわかりません。そういう状況になったら考えます」(40代男性)という声が多く聞かれました。
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