働き続けるとごっそり"減額"される「年金の盲点」 定年後の再雇用で損しない働き方とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ちなみに、在職老齢年金の年金カットのボーダーライン「50万円」は2024年度現在のもので、今後、物価の変動などに合わせて改定される可能性があります(実際、2022年度以降、毎年、ボーダーラインの金額が改定されています)。

なお、在職老齢年金の対象になるのは、一部の人だけがもらえる特別支給の老齢厚生年金はもちろんのこと、60~64歳で繰り上げ受給した老齢厚生年金や65歳以降の老齢厚生年金も含まれます。

年金+月収が50万円を超えたら超過分の半分がカット

ここで、在職老齢年金によって、年金がいくらカットされてしまうかの計算式について見ていきましょう。前ページの計算式がそれになります。

まず、Aの「年金」ですが、在職老齢年金の計算に用いられるのは「基本月額」です。これは加給年金(『申請しないと「1円ももらえない」年金の"正体"』)を除いた厚生年金の月額のことを指します。

なお、会社員の場合、老後に受け取る年金の中には老齢基礎年金と老齢厚生年金がありますが、在職老齢年金の計算には老齢基礎年金は含まれません。つまり、関係がある年金は「老齢厚生年金」のみ、ということになります。

次にBの「月収」ですが、これは正式には「総報酬月額相当額」のことで、1カ月の各種手当を含む給与に、1年間のボーナスを12で割ったものを足すことで求めます。なおこの場合、税金が引かれる前の金額で計算します。

そして、Aの「基本月額(年金)」とBの「総報酬月額相当額(月収)」を足してみて50万円を超えると、超えた分の半分の年金がカットされます。これが在職老齢年金の計算方法です。

年金がカットされるなんて、本当に悲しくなりますね。とはいえ、この在職老齢年金の年金カットのボーダーラインは、2022年に大きく改正されました! 2022年3月までは「28万円」でしたから、当時は今よりもカットの対象になる人がたくさんいたようです。今の「50万円」はこれでもまだマシなほうかもしれません。

次ページ年金を受け取りながら月収40万円のケース
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事