「中国企業がハンガリーに投資する最大の目的は、わが国を経由してヨーロッパ市場にアクセスすることだ」。財新記者の取材に応じたHEPAのシニア・アドバイザーは、中国からの投資急増の背景をそう説明する。
「ハンガリーは大国ではないが、(外国からの投資に対して)非常に開放的だ。わが政府は貿易と投資を後押しするために、一連の優遇税制を整備した。法人税率はEUで最も低い9%だ」。ハンガリー投資促進公社(HIPA)の幹部は、財新記者の取材に対してそう強調した。
中国とハンガリーの親密な外交関係に加えて、相対的に充実した産業基盤や(ヨーロッパ各地に通じる)物流の便利性も、ハンガリーが中国企業の投資を引き寄せる強みになっている。
車載電池メーカーが続々進出
なかでも目を引くのがEV(電気自動車)用の車載電池関連の投資案件だ。2022年以降、車載電池世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)、完成車と電池の両方の大手である比亜迪(BYD)、電池大手の億緯鋰能(EVEエナジー)、同じく欣旺達電子(サンオーダ)などが次々にハンガリーでの工場建設に着手した。
それにともない、電池の原材料や中間部材を手がける10社近くの中国企業もハンガリーに進出。それらの合計投資額は100億ユーロ(約1兆6103億円)を超える。
中国の車載電池メーカーにとって、(世界有数の自動車産業の集積地である)ヨーロッパでの現地生産は今や必須の条件と言える。CATLのある幹部は、財新記者の取材に対して次のように語った。
「EUが掲げた『2035年にエンジン車の販売を禁止する』という目標は、これから創出される巨大な市場空間のイメージを描き出した。中国国内の過当競争がエスカレートする中で、ヨーロッパ市場での受注獲得はさらに重要性が増している」
(財新記者:趙煊、劉沛林)
※原文の配信は11月27日
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