4人で作ったインディゲームが「アニメ化」するまで 地方発コンテンツ、アニメ化で市場価値の再構築へ
さらに、人狼ゲームが持つコミュニケーションの遊びを再現できているのも見事だ。プレイするたびに各キャラクターの秘密が明らかになり、それが大きなストーリーへとつながっていく。クリアするころには、各キャラクターに愛着が湧いているだろう。
『グノーシア』はゲームメディアで高く評価されたほか、「日本ゲーム大賞2020」ゲームデザイナーズ大賞の最終選考に残ったり、5周年記念に渋谷・名古屋PARCOでポップアップストアを期間限定で開くなど、大きな成果を残しているといえよう。
人狼ゲームを題材にしたインディーゲームはたくさんあるが、ひとり用のSFアドベンチャーという視点で捉えたのはかなり珍しい。プチデポットの4人だからこそ作れたゲームといえよう。
ゲームをアニメにするのは容易ではないが、意気込みはスゴそうだ
このようにインディーゲームとして評価されている『グノーシア』だが、当然ながらゲームがアニメになるのは容易ではない。
本作はグノーシアを探す議論がベースになっているわけで、それをただアニメにしても、会話が複雑で映像もシンプルすぎるものになりそうだ。ましてや人狼ゲームの議論は論理的な推理とは限らず、好感や印象によるものですらある。
また、ループのたびに誰がグノーシアかなどの設定が毎回変化するわけで、そのあたりの複雑さをどう描くかも気になるところだ。
何より、『グノーシア』はゲームのために作られたストーリーが用意されている。ゲームとほかの娯楽媒体の最大の違いは、プレイヤーが操作して進めることにある。つまりインタラクティブ(互いに作用し合うもの)であり、一方的なストーリーではないのだ。それを視聴する形式のアニメにするのであれば、大胆な改変を加える必要がある。
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