Netflix「日本ついに1000万世帯超え」は吉か凶か 「もうええでしょう」が流行語大賞トップ10入り

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一方で、韓国では出演料の高騰やストーリーの枯渇といったデメリットも生んでいます。こうした一歩先行く韓国の背中を追いながら、プラス要素は取り入れつつ、失敗から学びを得るのが理想です。Netflixの坂本氏もこれに同意する考えを示しています。カギを握るのは「予算の組み立て方」だそうです。

「日本の場合、“制作費をこれ以上かけたら、回収できない”と考えがち。それよりも1つひとつ適正な予算を整理し、合意のうえで担保していくほうがいい。これによって制作環境を整えることができ、さらに実績を積み重ねれば、作品の表現の幅を広げていくことができるのです。丁寧にこのやり方を広めていきながら、最終的には業界のイノベーションにつなげていきたい」

Netflixが目指すゴール

競合のAmazonプライム・ビデオと並ぶ規模になり、国産トップのU-NEXTを大きく引き離していますが、会員数1000万というポジションを意識しすぎることは「決してない」とも坂本氏は言い切っています。潔い答えは続きました。

「Netflixの現在地は道半ば。ようやく動画配信サービスが生活に根付き始めたなかで、目指すゴールは生活に必要な存在になることです。世の中にはさまざまな興味があふれかえっています。それでも“Netflixが必要だよね”と思われる存在になることのほうが数字よりも重要だと思っています」

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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