歌も売れてしまう現象は作品のヒットを妙に実感させもします。Netflix英語シリーズ歴代1位の「ストレンジャー・シングス」シーズン4が配信開始された当時、ケイト・ブッシュの「神秘の丘」が37年ぶりにアメリカ・Billboard Hot 100のトップ10入りに返り咲いたことがありましたが、日本の作品からもそんなトレンドが作られ始めているのです。
ランキングではそう目立たなかったものの、熱量の高さの表れとして歌がヒットする事例もあります。ゲイのリアリティショー「ボーイフレンド」のテーマ曲がまさにそれ。「Dazed & Confused」を歌う韓国のアーティストのGlen Checkは日本ではほぼ無名だったのにもかかわらずSpotify Japanバイラルトップ10で2位まで上昇し、作品人気を裏付けています。
韓国の成功と失敗を学ぶ
強力な作品投入の手を止める気配はありません。12月26日には「イカゲーム」シーズン2、2025年1月9日には是枝裕和監督が手掛ける向田邦子原作ドラマ「阿修羅のごとく」の配信を控えています。「阿修羅のごとく」はNetflix日本オリジナルの作品。宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずが4姉妹を演じます。高い評価が期待される作品の1つです。
会員数1000万件超えの勢いに乗って、日本のテレビ・映画業界の常識を覆していく動きにつながっていくかどうかも気になるところ。お隣の韓国ではNetflixの収益はテレビ局のそれを上回る規模に成長し、労働環境の改善にも貢献しています。
例えば、撮影時間の1日上限の12時間、週52時間というルールがNetflixの作品に限らず、どの現場でも守られるようになっています。制作日数が延び、コストがかかりますが、その分の予算を確保する動きにつながっています。「イカゲーム」の世界ヒットが韓国の制作環境をガラリと変えたのです。
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