「京都吉兆」がイタリアの学食でランチ提供の反応 世界の有名シェフ150人以上が料理した大学
本番当日、学食に食べにやってきた学長のカルロ・ペトリーニ氏は、一口食べて「参りました!」の表情。
室町時代から伝わる汐出汁の技術を応用した「鶏汐出汁のスープ 卵締め」のおいしさには、多くの学生たちが「これはなんですか?」「どうやって作ったの?」と徳岡氏を質問攻めにするシーンも。
同日の午後には、日本酒とみりんを紹介するトークセッションも行われ、会場となった講堂を予定よりも大きいものに急遽変更するなど、食科学大学の学生たちの日本料理への興味の深さが垣間見られた。本物の日本の味、文化の一部を正しく伝えられた素晴らしい機会となった。
食を総合的に学ぶ動きが日本でも
この食科学大学が生まれた2004年当時、他に例を見ない試みとして世界から注目を浴びた。そして20年が経った今、世界各地で同様の動きが急増している。日本でも2018年に京都の立命館大学が食マネジメント学部を設立。食の総合学部としては国内初となった。
そして現在、東京でも東京女子大学がイタリアの食科学大学の教授陣を招いたり、東京学芸大学は辻調理師専門学校と提携して「食と環境」をテーマにした研究と教育を進めるなど、食を総合的に学ぶ動きはますます加速している。
食とは、単においしいまずいを語る存在ではなく、生きる物すべての命をつなぎ、地球環境に深く関わる問題であることが再認識され始めた今、正しい知識を身につけた人材が各界から求められているからだ。そこで学んだ若者たちが世界に羽ばたき、明るい地球の未来を築いていってくれることを願うばかりだ。
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