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『会社四季報』が機関投資家と戦う武器になる理由 全上場3928社のデータを網羅する情報集積力

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しかし、機関投資家からすれば、そのようなセールスからもたらされる情報には何の付加価値もない。なぜなら、自分から直接、証券会社のアナリストに話を聞くことができるし、そのアナリストが書いたレポートを読めば十分だからだ。

その代わり、といっては何だが、機関投資家はなぜか会社四季報を読まない。読まなくても、証券会社のアナリストが情報をもたらしてくれるからだが、だからこそ私たちが会社四季報に記載されている情報を元にレポートを作成して配布すると、重宝がってくれた。アナリストがカバーしていない中小型企業の情報は特に、である。

個人投資家の勝算

もちろん私がかつて働いていた野村證券にも、中小型企業を専門に分析するアナリストはいた。とはいえ、中小型企業なんて山のようにある。だから、一社ずつ会社の中身を詳細にチェックして分析するところまでは手が回らず、一定のスクリーニング基準で機械的に注目銘柄を抽出しているケースが大半だ。

当時、アナリストがカバーしている企業数といえば300社から400社が関の山だったが、会社四季報には3000社を超える企業の情報が掲載されている。ということは、アナリストが企業訪問をし、経営者や財務担当役員などにインタビューをしたうえで書かれているレポートは、全上場企業のうち10分の1にも満たないことになる。そこで、その10分の1以外の企業に関する情報を、四季報ベースで伝えるだけでも、多くの機関投資家が喜んでくれたのである。

つまり、会社四季報に掲載されている情報に精通すれば、個人投資家でも機関投資家に十分伍して戦える情報を持つことができるのだ。

ちなみに私の今の立ち位置は、「エコノミスト」ということになっている。エコノミストとは、どちらかというとマクロ経済分析といって、国内外の景気、金融市場の動向などについて情報を集め、分析するのが本分であり、個別企業の分析をする人はほぼいないと言って良い。そのエコノミストである私が個別企業分析も行えるのは、ひとえに会社四季報を熟読しているからだ。

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