独アウディの11年国内販売が過去最高の2万1000台超に、12年も1割増見込む
日本国内の新車市場が低迷する中で、独の高級車アウディが気を吐いている。昨年(2011年)は過去最高の販売台数を更新。12年も勢いは持続する見通しだ。ラインナップの強化に加えて、店舗網の拡充などの戦略が奏功している。
アウディ ジャパンは11日、11年の日本国内の販売台数が前年比26%増の2万1166台と初めて2万台の大台を超えるとともに、過去最高になったことを発表した。東日本大震災の影響でトヨタ自動車や日産自動車など国内メーカーが販売数を落とすなか、アウディが躍進した要因は大きく2つある。
一つはラインナップの強化だ。11年は289万円から購入できる小型車「A1」(エンジン排気量14000cc)を発売。これまでにないカテゴリーへの商品投入で新しい需要を開拓した。もう一つは高額所得者の集まる大都市に狙いを定めた販売網の拡充だ。11年は東京・六本木や名古屋に相次いで大型店を開設。販売台数の増加につなげた。
アウディ ジャパンは12年も前年比で1割程度の販売増を見込み、過去最高をさらに更新する目算だ。11日に東京・原宿で開いた記者会見で発表した高級車「A5」シリーズ(同2000~3000cc)の新モデルや、12年内に初投入を予定している「A6」シリーズのハイブリッドモデルが牽引するほか、11年末で105店となった国内販売拠点をさらに3~4店新設。既存店の増床なども進める。
新型「A5」シリーズは、エンジンの改良などにより、従来モデルと比べて加速性能を維持しながら20%の燃費向上を実現した。新シリーズの6モデルのうち、4車種が昨年末に発表されたエコカー補助金の対象車となるが、補助金の上乗せ効果について、アウディ ジャパンの大喜多寛社長は、「プレミアムセグメントは補助金のインパクトはほとんどない。前回の補助金のときに輸入車は恩恵を受けなかった。多少のインパクトがあっても輸入車の需要が増えるとは思えない」と述べ、あくまで効果は限定的になるとの見通しを示した。
(写真は新型「A5」シリーズ、左は大喜多社長、右は女子プロゴルファーの上田桃子選手)
(又吉 龍吾=東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら