貨物列車の「車軸折損」、本当の原因は何なのか? 不正追及の傍らで忘れ去られている技術の本質

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車軸折損による脱線事故を起こした電気機関車EF210形341号機と連番の342号機(筆者撮影)

データを差し替える不正はあったが…

2024年7月24日12時32分頃、山陽本線新山口駅構内において、上り貨物列車(電気機関車1両+コンテナ貨車23両)の電気機関車6軸のうち先頭1軸が進行方向左側に脱線した。車軸が折れていた。列車脱線事故として運輸安全委員会が調査中なので、いずれ詳細な事故調査報告書が公表されるはずである。なお、事故を起こしたEF210形341号機は、製造後2年程度の比較的新しい電気機関車である。

事故発生から約1カ月半経過した9月10日、JR貨物と国土交通省は、輪軸組立作業における不正行為があったと公表した。輪軸とは左右の車輪を車軸に嵌め込んだもので、車輪中心の穴の内径を車軸の外径よりわずかに小さくしておき、強い力で圧入して組み立てる。その際の圧入力が基準値を超過した場合、検査結果を基準値内のデータに差し替えて検査を終了させていたというものである。

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