日産低迷、「売れる車がほとんどない」北米の窮地 特需は去り、本来の実力で明暗分かれる局面に
――11月7日に発表された中間決算で、日産は、業績の下方修正をしました。第1四半期に続いて、これが2度目。なぜ短期間のうちに、ここまで見通しが変わってしまったのでしょうか。
端的に言えば、主力の北米や中国の事業が急悪化しているのが要因です。それにもかかわらず、日産の見通しはこれまで非常に甘いものでした。
2024年7月に発表した第1四半期の営業利益は、前年同期比99%減の10億円にとどまりました。このとき、会社は通期の利益見通しを6000億円から5000億円へと修正しましたが、これもマーケットからは「過大な計画」とみられていました。
今回発表した上半期の営業利益は、前年同期比9割減の329億円というもの。これを受けて、会社は見通しを再び下方修正。利益を5000億円から1500億円へと、追加で7割も減額しています。ここでようやく「業績の悪化」を認めた形となりました。
今回日産は、グローバルでの生産能力の2割削減や9000人のリストラも発表しています。かなり厳しい状況です。
日産「固有の課題」はどこにある?
――ほかの日系自動車メーカーと比べても、業況が際立って悪いと思います。日産が抱える固有の課題があるのでしょうか?
中国事業の悪化は日産だけが見舞われている事態ではなく、ホンダやドイツのフォルクスワーゲンなど、外資メーカー共通の課題です。BYDを始め中国の現地自動車メーカーが販売シェアを伸ばし、日系を含む外資は工場の閉鎖を進めるなど、生産規模を縮小しています。
日産固有の課題は、アメリカの販売不振にあると言えるでしょう。
――アメリカは、中国に次ぐ世界2位の自動車販売市場ですよね。
ホンダやトヨタは中国が悪化しても、もう1つの主力市場・北米で稼げます。アメリカでは、現在ハイブリッド車の需要が拡大していて、トヨタやホンダは比較的好調です。
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