マスコミがほとんど報じない「維新代表選」の実態 "大阪主導"に「東京組」不満、万博も重荷に
そうした中、代表就任が確実視される吉村氏にとって、代表選終盤の28日に召集される臨時国会や、来年1月召集の次期通常国会での与野党攻防への関わり方が当面の課題となる。「維新より議席数の少ない国民民主ばかりが注目される状況をどう変えるかで、吉村氏の力量が問われる」(政治ジャーナリスト)からだ。
「万博」の“赤字問題”も大きな重荷に
その吉村氏にとって、次期通常国会以降の党運営の大きな重荷となりそうなのが、同党主導で誘致した大阪・関西万博(2025年4月13日から10月13日まで)。もともと関西財界にも成功を疑問視する声が多く、開催時から混乱が露呈すれば、実質的な主催者でもある吉村氏の責任問題にもつながりかねない。とくに、観客不入りなどで赤字が出た場合は「最終的には政府の協力に頼らざるを得ない」(大阪府幹部)との声が多い。その場合、吉村氏が主張する「自公政権との対決姿勢」が“空証文化”する可能性も否定できない。
自公過半数割れで迷走が続く石破茂政権も、そうした維新の抱える「万博での弱み」を見透かすように、年明け以降に水面下での維新取り込み工作を展開する構えだ。「万博開幕後の集客状況次第で、石破政権が維新との連携問題の主導権を握る事態も想定される」(閣僚経験者)だけに、吉村氏にとって「首尾よく新代表に就任しても、『吉村首相』どころか政治生命の危機に直面しかねない」(同)という厳しい状況が続きそうだ。
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