中国EV市場、激戦下で「零跑汽車」が頭角現わす 低価格・高機能を売りに年間販売25万台超えへ

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Cシリーズは粗利率が(Tシリーズに比べて)相対的に高い。生産規模拡大のスケールメリットも加わり、零跑汽車の収支改善に貢献している。同社が11月11日に開示した2024年7~9月期の決算報告書によれば、同四半期の(事業全体の)粗利率は8.1%と、前年同期比7ポイント近く上昇した。

同じく決算報告書によれば、7~9月期の売上高は98億6000万元(約2104億円)と前年同期比で74.3%増加。純損益は6億9000万元(約147億円)の赤字だったが、損失額は前年同期より3割縮小した。

零跑汽車は欧州のステランティスと提携し、海外市場の開拓も進める。写真はパリモーターショーでスピーチする朱江明CEO(左)とステランティスのタバレスCEO(ステランティスのウェブサイトより)

朱CEOによれば、零跑汽車の経営はすでに損益分岐点に近づいており、2025年には黒字化する見通しだという。

スマート機能にお買い得感

新型車がひしめく中国のEV市場で、Cシリーズはなぜ消費者の人気を集めているのか。その理由の1つは、価格の安さのわりに高度なスマート機能を搭載していることだ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

例えば2024年3月に発売した新型SUV「C10」は、クアルコム製の車載用プロセッサー「スナップドラゴン8295」を採用しながら、ベースグレードのメーカー希望価格を12万8800元(約275万円)からに設定した。

このプロセッサーは高機能のスマートコクピットを実現する“頭脳”であり、ドイツのメルセデス・ベンツの「Eクラス」、中国の極氪(ジーカー)の高級セダン「007」、理想汽車(リ・オート)の高級ミニバン「MEGA」なども採用している。だが、15万元(約320万円)以下のEVへの搭載例はほとんどなく、C10のお買い得感を高めている。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は11月13日

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