美輪明宏さん「この世で"孤独病"から逃れるには」 「親友がいない」「寂しい」と嘆いているあなたへ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だけど、自分に寄りかかられるのは嫌。重いの。お互いにそういう人なんだから、そりゃうまくいきっこないですよ。

そもそも親友と呼べる人は、一生にひとりかふたり現れればいいほうです。

間違っても、無理に友達をたくさんつくろうとしないこと。友達が多ければ多いほど、もめ事や悩み事も人数分だけ増えるものです。友達がいなければ、孤独で寂しく感じることはあるかもしれませんが、余計なゴタゴタに巻き込まれることも、裏切られることもありませんし、逆にこちらも裏切る罪を犯さなくて済むのです。

どちらをとるかであって、親友がいないから自分はダメだということではありません。

「生まれてこの方、一番つらかったこと」を思い出す

生きている限り、苦労は次から次へと一生ついてきます。でも、今までいろんなことがあったけれど、それらを踏み越えてきたからこそ、今、存在していらっしゃるわけでしょう。

愛のモヤモヤ相談室
『愛のモヤモヤ相談室』(大和書房)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ですから、いい方法を教えます。これからは何かあるたびに鏡を見ることです。鏡を見て、「生まれてこの方、一番つらかったこと」を思い出すんです。

「ああ、あのときは本当に、死のうかと思ったほどつらかったな」

そう思って自分の姿を見ると、そこには紛れもなく、生命力に溢れて生き抜いてきた自分の姿が映っているはずです。「でも、生きてきたじゃないか。あれを乗り越えてきたということは、私に力があったからじゃないか」という証拠が残っているんです。

こんな世の中、おのれを信じるということが一番大事なのです。どんな困難が降りかかっても、「どうせ命までは取られやしない、今まで生きてこられたんだから。今度もできないことはない」と思うことです。

今まで生きてきたんだもの、これから先だって生きられないことはないのです。

美輪 明宏 歌手、俳優、演出家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みわ あきひろ / Akihiro Miwa

1935年、長崎市生まれ。国立音楽大学附属高校中退。16歳でプロ歌手としてデビュー。銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」を拠点にし、注目を集める。1957年に『メケ・メケ』、1966年に『ヨイトマケの唄』が大ヒットとなる。1967年、演劇実験室「天井桟敷」旗揚げ公演に参加、寺山修司の『毛皮のマリー』、三島由紀夫と組んだ『黒蜥蝪』ほか数多くの作品に出演。以後、演劇・リサイタル・テレビ・ラジオ・講演活動などで幅広く活動。1997年、舞台「双頭の鷲」で読売演劇大賞優秀賞を受賞。2018年、戦後の日本にジェンダーを超えた生き方を示したこと、長きにわたり舞台・映画・テレビ・講演・著作と多方面で夢と感動を与えてきたことなどから、東京都の「名誉都民」として顕彰される。『紫の履歴書』(水書坊)、『人生ノート』『ああ正負の法則』(共にパルコ出版)、『愛のモヤモヤ相談室』(大和書房)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事